<一筆>災害時の事業継続(新聞連載コラム#04)
<熊本日日新聞 | 2023年1月31日>
ヒサノは、半導体製造装置やATMの輸送などを通して、長年、社会的に重要な半導体や金融のサプライチェーン(供給網)の一翼を担っています。2016年の熊本地震や20年の球磨川氾濫の際、社員は汗まみれ泥まみれになりながら、半導体工場の製造ラインや金融機関の店舗の復旧に携わりました。
このような経験から、私は、浸水被害のリスクが低く災害発生時には事業継続の拠点となる施設を、熊本県以外の場所に建設したいと考えていました。適地を見つけるのに長い時間を要しましたが、営業倉庫の建設が可能な土地を福岡県古賀市に購入することができました。
倉庫建設に当たって「事業継続力強化計画」を九州経済産業局に提出し、認定を受けました。非常時に水や電気の確保に困らないように、地下水のくみ上げポンプや非常用電源装置の付設を盛り込んでいます。認定を受けたことで、資金調達の際に日本政策金融公庫の低利融資を利用することができました。
事業継続力強化計画の作成は、本格的な事業継続計画(BCP)作りのはじめの一歩です。計画を策定することで事業計画や資金計画も明確になりました。何より、各種優遇策の適用を受けられるようになることで資金繰りも楽になります。
このほかにも、経済産業省などは中小企業向けのさまざまな施策を用意しています。起業する方や新規事業に挑戦する中小企業の経営者は、まずは各種施策の利用を検討することをお勧めします。金融機関などから計画書作成の助言を受けられる場合もあります。
本記事は、2023年1月~3月にかけて熊本県の地方紙「熊本日日新聞」に連載された弊社社長のコラムをアーカイブとして掲載しております。