スタッフブログ 作成日 2023年08月16日 (水)/ 更新日:2023年08月16日 (水)

<一筆>外務省で学んだこと(新聞連載コラム#10)

<熊本日日新聞 | 2023年3月14日

 

 19974月から20014月まで外務省に出向しました。初めて登庁した時、正面玄関の桜は満開で、不安な私の気持ちはぱっと晴れやかになりました。本省では欧亜局大洋州課に2年間勤務し、ニュージーランドや太平洋島しょ国の外交を担当しました。

 

 大洋州課で担当した出来事の一つに、97年の「西サモア」から「サモア」への国名変更があります。法律の改正を伴うので、法案を事前審査する内閣法制局に出向いて国名変更の経緯を説明しました。国名変更に携わった経験を持つ外務省職員は少なく、世界地図の表記を変える貴重な経験をしました。

 

 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会長を務める尾身茂氏が世界保健機関(WHO)の西太平洋地域事務局長選挙に立候補した際は、太平洋島しょ国の票集めを担当。各国の保健担当大臣を外務省飯倉公館に招待したレセプションも企画しました。尾身氏は島しょ国の票を集めて無事初当選しました。

 

 994月から2年間、北米屈指の大都市であるシカゴに赴任しました。在シカゴ日本国総領事館勤務では総務・経済担当副領事として、ジョージ・ブッシュ氏が勝利した00年の大統領選挙の分析などを担当しました。当時シカゴ総領事で、後に事務次官に就任する藪中三十二氏のもとで勤務したことが一番の思い出です。ブッシュ氏がシカゴ近郊の集会で選挙演説を終えて退場する際に、突然私に近寄り握手してくれたことも印象に残っています。外務省で学んだ仕事の段取りや、情報収集・交渉の術は今に生きています。

 


本記事は、2023年1月~3月にかけて熊本県の地方紙「熊本日日新聞」に連載された弊社社長のコラムをアーカイブとして掲載しております。

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